
はじめに
≪研修期間≫
1学年1〜2名で原則3年間とする(3年間の研修を原則とするが,他施設での研修状況等考慮の上,途中1年単位での研修も可能)。ただし3年間の研修終了後に外科フェローとしてさらに2年間延長できる。
≪研修目標≫
希望分野を中心に,消化器外科,乳腺外科の疾患や病態に適切に対応できるよう,各疾患の知識や診断・手術技能を習得することを通して,将来の専門性を持った外科医としての基礎を確立する。また,当院呼吸器外科,心臓血管外科および連携病院での小児外科研修を経て,後期研修3年目に日本外科学会専門医予備試験(筆記試験)に臨む。
≪後期研修に対する当科の基本的な考え方≫
外科医の本分は手術であり,卒後5年目までの後期研修期間に受けた教育が,その後の外科医としての方向性を決めるといっても過言ではない。当科では経験豊かなスタッフの指導(前立ち)のもと,後期研修医に早い時期から術者として手術経験を積ませている。消化器外科領域で我々が行っている標準手術術式については,著書「イラストレイテッド外科手術−膜の解剖からみた術式のポイント 第3版」(医学書院 2010年)を参照のこと。本書の初版(1994年)は当時3年目の専攻医であった篠原部長が牧野前院長の指導のもと書き上げたものである。
Suture Training Lab.(STL)
内視鏡外科が定着した今日, 2次元で示されるモニター画像内でのスムーズな鉗子操作を習得するためには,臨床前段階でのトレーニングが有効である。当科には結紮・縫合の練習を行うためのトレーニング・ボックスを備えたドライラボ,Suture Training Lab. (STL)があり,スタッフや後期研修医が日常業務の合間を縫って練習している。STLでは,速さと確実さを競う「院長杯」が定期的に開催される。
研修方法
1.5−8名前後の入院患者の担当医となり,指導医,初期研修医とともに患者の術前・術後管理を行う。
2.指導医の指導の下,疾患に応じ(別記)術者あるいは第一助手として全ての担当患者の手術に参加する。手術当日は手術患者の状態安定まで在院・術後管理を行う。
3.週一回の総回診を通して個々の症例についての指導を受けると共に,週一回の外科術前カンファレンスにおいて症例提示し診断・治療方針を討論する。
4.各種検査に参加し,指導医の助手として検査手技を学ぶとともにその監督下に自ら検査を実施する。
5.院内外カンファレンス,CPC,研究会,学会への参加・発表を通して文献検索能力,EBMの実践,研究への興味などを身に付ける。
6.病院の当直体制の下,月2回前後の当直業務を行なう。
7.平日夜間および休日は原則としてオン・コール状態で緊急症例に対応し,また休日には当番制で病棟処置を行う。
8.後期研修中に呼吸器外科・心臓血管外科・小児外科を,各3ヶ月を限度に修練できる。
9.学会参加,日本外科学会専門医取得に必要な指定学術集会での発表または論文投稿などの学術活動を行う。
研修期間中に術者として経験できる手術
A:1−3年目,B:2−3年目,C:3年目をその基準とするが,習熟度により変動がある。
消化器外科学会専門医制度による手術経験の要求を満たすため,制度の定めたカテゴリーごとに,到達度をも考慮した症例担当を考慮し,特に必須主要手術についてはそれを確保する。
| 消化器疾患 | |
| A | 腸閉塞手術,人工肛門造設術,虫垂切除術 |
| 肛門疾患(痔核根治術,痔ろう根治術) | |
| 胆嚢摘出術・胆管切開切石術(腹腔鏡下手術を含む) | |
| 鼠径ヘルニア根治術,腹壁ヘルニア根治術,臍ヘルニア根治術 | |
| B | 胃癌手術(胃切除術・胃全摘術,いずれも腹腔鏡下手術を含む) |
| 大腸癌手術(結腸切除術・直腸前方切除術・切断術,いずれも腹腔鏡下手術を含む) | |
| 膵良性疾患・膵癌(膵部分切除術・膵体尾部切除術・膵頭十二指腸切除術) | |
| 脾摘出術(腹腔鏡下手術を含む) | |
| C | 食道癌手術(胸腔鏡下手術を含む) |
| 胆嚢癌・胆道癌(拡大胆嚢摘出術・肝切除術・膵頭十二指腸切除術) | |
| 肝良性腫瘍・肝臓癌(各種肝切除術) | |
| 乳腺疾患 | |
| A | 乳腺良性腫瘍(部分切除術) |
| 乳癌根治術(乳癌根治術(乳房温存術・乳房切除術) | |
参考までに,3年間でおよそ50例の胃癌手術を術者として経験できる。
週刊予定
| 月 | 手術(AM, PM) |
| 火 | 手術,透視造影,腹部エコー,乳腺エコー,大腸内視鏡 |
| 水 | 手術(AM, PM) |
| 木 | 手術,腹部血管造影,乳腺エコー,総回診,外科症例検討会,消化器合同検討会,抄読会 |
| 金 | 手術(AM, PM) |
